アイラ10蒸留所 フェノール値一覧
フェノール値(PPM)は麦芽段階での測定値。実際の製品では熟成等を経て低下する。数値はおおよその目安。
| 蒸留所 |
日本語名 |
創業年 |
フェノール値(ppm) |
スタイル |
| Ardbeg |
アードベッグ |
1815 |
50〜55 ppm |
ヘビーピート |
| Kilchoman |
キルホーマン |
2005 |
約 50 ppm |
ヘビーピート・ファームディスティラリー |
| Laphroaig |
ラフロイグ |
1815 |
40〜45 ppm |
ヘビーピート・医薬品的ヨード感 |
| Ardnahoe |
アードナッホー |
2019 |
約 40 ppm |
ミドル〜ヘビーピート・ワームタブ式 |
| Lagavulin |
ラガヴーリン |
1816 |
35〜40 ppm |
ミドルピート・長時間蒸留 |
| Caol Ila |
カリラ |
1846 |
約 35 ppm |
ミドルピート・最大生産量 |
| Port Ellen |
ポートエレン |
1825 |
約 35 ppm |
ミドルピート・2023年再開 |
| Bowmore |
ボウモア |
1779 |
約 25 ppm |
ミドルピート・海の近くの熟成庫 |
| Bunnahabhain |
ブナハーブン |
1881 |
2〜3 ppm |
ほぼノンピート(ピーテッド版あり) |
| Bruichladdich |
ブルックラディー |
1881 |
0〜5 / 40 / 100〜300+ ppm |
3ライン:ノンピート/中程度/超ヘビー(オクトモア) |
Bruichladdich Octomore:世界最高水準のフェノール値。各バッチで異なり、100〜309 ppmを記録。飲んでみると超高ppmでも意外に甘くフルーティーで複雑な印象。
主要用語集
PPM(Parts Per Million)
ピートスモーク由来のフェノール化合物の濃度。麦芽段階の値と製品の値は異なる(製品の方が低い)。スモーキーさの指標として使われる。
エンジェルズシェア(Angel's Share)
熟成中に樽から蒸発するウイスキーの量。年間約1〜2%(スコットランド)。「天使の取り分」とも呼ばれる。同名のスコットランド映画(2012年)でも有名。
ゴーストディスティラリー(Ghost Distillery)
閉鎖・廃業した蒸留所。在庫が底をつくと完全に「幻」となる。ポートエレンは2023年に復活し「幽霊」ではなくなった。
ノンエイジステートメント(NAS)
年数表記なし。若い原酒を混ぜることで在庫不足に対応した製品形態。品質が年数表記より低いとは限らない。
カスクストレングス(Cask Strength / CS)
加水せずに樽から直接ボトリングしたもの。アルコール度数50〜65%程度。原酒の個性が最大限表れる。
ノンチルフィルタード(NCF)
冷却ろ過をしていないもの。冷却ろ過で除去されてしまう香味成分をそのまま残す。加水すると白濁することがあるが品質の問題ではない。
インディペンデントボトラー
複数の蒸留所から樽ごと原酒を購入し独自にボトリングする業者。ゴードン&マクファイル、シグナトリー、BBR(ベリーブラザーズ&ラッド)等が有名。蒸留所オフィシャル以外の視点でウイスキーを楽しめる。
フロアモルティング(Floor Malting)
石畳の床に大麦を広げ、人力で撹拌しながら発芽させる伝統製法。現在スコットランドで維持しているのは約10〜12軒のみ。アイラではボウモア・ラフロイグ・キルホーマンが実施。
Fèis Ìle(フェイシュ・イーラ)
アイラの年次ウイスキーフェスティバル(毎年5月末)。各蒸留所がオープンデーを行い限定ボトルを販売。世界中からファンが集まる。
ゲール語(Scottish Gaelic)
スコットランド西部・島嶼部で話されるケルト系言語。地名・蒸留所名に多く残る。乾杯の言葉「Slàinte mhath(スランジバ)」=「よい健康を」。
uisce beatha(ウシュケ・ベーハ)
ゲール語で「命の水」。スコッチウイスキーの語源。uisce → whishky → whisky と変化した。
ダンネージ式倉庫(Dunnage Warehouse)
厚い石壁・土の床を持つ伝統的な熟成庫。年間を通じて湿度と温度が安定。樽を木の桟(dunnage)の上に横向きに最大3段積み。熟成がゆっくり進み複雑な風味が生まれやすいとされる。保管効率は低いが、多くのヘリテージ蒸留所が維持している。
ラック式倉庫(Racked Warehouse)
鉄製のラック(棚)に樽を最大12段程度まで積み上げる近代的な貯蔵方式。ダンネージ式に比べ保管効率が大幅に高い。ただし上段と下段で温湿度差が生じるため、熟成速度やフレーバーに差が出やすい。上段はより高温で蒸発が早く、下段はより冷涼で緩やかに熟成する。
パラタイズド式倉庫(Palletised Warehouse)
パレットの上に樽を載せ、フォークリフトで管理する最も効率的な貯蔵方式。大規模蒸留所やブレンデッドウイスキー向けの大量貯蔵に多用される。建物は現代的な鉄骨倉庫が多く、6〜8段積みが一般的。コスト効率に優れるが、ダンネージ式ほどの熟成環境の安定性は得にくい。
参考資料・推薦書籍
- Scotch Whisky Regulations 2009 — 英国議会制定の公式規定。スコッチの定義・5分類を定める。
- Michael Jackson's Complete Guide to Single Malt Scotch — ウイスキーライターの先駆者マイケル・ジャクソンによるバイブル的ガイド。
- Charles MacLean — Scotch Whisky: A Liquid History — スコッチの歴史を包括的にまとめた名著。
- Distillery の公式ウェブサイト各種 — 各蒸留所の最新情報・限定ボトル・ヴィジターセンター情報はオフィシャルサイトが最も信頼できる。
- Whisky Advocate / Malt Whisky Yearbook — 毎年発行されるウイスキー専門誌・年鑑。最新のリリースや業界動向をカバー。
このガイドは個人の学習・旅行準備を目的として作成しました。フェノール値・創業年等の数値は公開情報をもとにしていますが、最新の正確な情報は各蒸留所の公式サイトでご確認ください。